言葉だけでなく態度からも読み取れるように

介護の仕事で主にお世話をする相手となるのは、その大半が身体の自由が利かなくなった高齢者でしょう。中には痴呆や認知症の症状が進んだ結果、1人で身の周りに関する全ての所用や行動が取れなくなってしまった人もおり、それら全ての介助を介護スタッフが身代わりとなって行ってあげる必要が出てきます。その際自分が取りたい行動や生理現象、そして社会的な活動等、それらに対しての自分の欲求を的確に伝える事が難しくなっているという大きな問題があります。それを解決することが介護の仕事の大きな意義でもあり目的でもあるのですが、相手をする高齢者が言葉に表さずともそうした欲求を素早く正確に汲み、トラブルに発展しないうちに介助してあげるのが理想的な介護といえるのではないでしょうか。その世界で働き始めた初心者、特に身の周りにそういった高齢者がおらず、身の周りの世話や介助について全く勝手が分からない人の場合、彼等が発する僅かな欲求の態度や仕草を見逃してしまい、後のトラブルに繋がってしまうケースはかなり多いものでしょう。まず介護初心者が行うことは担当する人を固定し、常に彼等に寄り添い、その仕草や表情を小まめに観察する事でしょう。それによりその人が欲求を発する際の細かなサインを正確に読み取れる様になり、レスポンス良く適切なお世話や介助が行える様になります。もちろん言葉を交わすのがベストでありメインの方法であることに違いありませんが、その手段さえ容易に取れなくなってしまった人も介護の対象だからこそ、質の高い介護サービスを提供するために言葉以外のコミュニケーション手段も必須なのです。

介護職が認知症の利用者をケアするには

特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームのなかには、認知症を抱える利用者が入居している所が多く、生活上で特別な配慮が必要となる事があります。

その為、こうした職場で日頃から適切なケアをおこなうには、介護職としての資質を向上させる為、自分に合ったスキルアップの方法を選択する事が大切です。

特に、物忘れや徘徊などの行動が目立つ利用者に対しては、介護職だけで対応をするのが難しいケースも珍しくありません。

そこで、場合によっては、医師や看護師などの医療スタッフを頼ったり、外部の医療機関や地域包括センターなどのサポートを依頼したりする必要があります。

介護職のスキルアップに力を入れている施設においては、認知症に関する専門知識を身に付けられるよう、定期的に集合研修を企画したり、外部の専門家によるセミナーや講演会を実施したりする所も増えています。

そうしたなか、認知症の利用者との接し方についてしっかりとマスターをしたい方は、採用後の研修の機会が豊富な職場を選ぶ事が大切です。

尚、時間に余裕がある場合には、認知症の利用者の介護に役立つ資格を取得したり、複数の介護事業所の職員の働きぶりについて確認したりする事がポイントです。

その他、利用者のケアのポイントを押さえるには、ある程度の介護業務の経験が求められる為、一通りの仕事に慣れるまで頼りになる先輩の職員に業務中のサポートを受ける事が肝心です。((詳細サイト))